アーキテクトやインフラ設計者への良書 - スケーラブルWebサイト

写真共有サイトFlickrの開発者Cal Hendersonが書いた、Webサイトをスケーラブルにするためのノウハウが解説された本です。

スケーラブルWebサイト

スケーラブルWebサイト

■目次
1章 はじめに
2章 ウェブアプリケーションのアーキテクチャ
3章 開発環境
4章 国際化とローカライゼーションとUnicode
5章 データの一貫性とセキュリティ
6章 電子メール
7章 リモートサービス
8章 ボトルネック
9章 ウェブアプリケーションのスケーリング
10章 統計、監視、警告
11章 API

スケーラビリティとは何か?この本では3つの単純な性質として説明されています。

  • 使用量が増えても対応できる
  • データセットが増えても対応できる
  • メインテナンスが可能

前半は大規模サイトを視野に入れた、ソフトウェアアーキテクチャについてのノウハウ、8章以降はミドルウェアのスケーリングを中心に解説されています。

覚えているポイントは以下の通り。

  • 開発環境・ステージング環境をしっかりと作る
  • 国際化を視野に入れてUTF-8エンコーディングを使う
  • アプリケーションのセキュリティを確保する
  • ボトルネックは詳細まで特定できるように
  • スケーリングはシステムにフィットする方法を選択する


というわけで、いずれは8章の冒頭にあるような状況を目指したいものです。

さあ、キラーアプリケーションができあがりました。すべてのデータはUTF-8で保存し、受信するメールはいとも簡単に処理され、データにうまくフィルタをかけ、数多くの外部のサービスを利用しているとしましょう。何の問題も無さそうだし、利用者の反応はすばらしく、ベンチャーキャピタルがひっきりなしにやってきます。

この本は社内で回し読みをしたいと思います。
アプリケーションに携わる全てのITエンジニアに、何か新しい気づきを与えてくれると思うからです。