アーキテクトやインフラ設計者への良書 - スケーラブルWebサイト
写真共有サイトFlickrの開発者Cal Hendersonが書いた、Webサイトをスケーラブルにするためのノウハウが解説された本です。
- 作者: Cal Henderson,武舎広幸,福地太郎,武舎るみ
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2006/12/26
- メディア: 大型本
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■目次 1章 はじめに 2章 ウェブアプリケーションのアーキテクチャ 3章 開発環境 4章 国際化とローカライゼーションとUnicode 5章 データの一貫性とセキュリティ 6章 電子メール 7章 リモートサービス 8章 ボトルネック 9章 ウェブアプリケーションのスケーリング 10章 統計、監視、警告 11章 API
スケーラビリティとは何か?この本では3つの単純な性質として説明されています。
- 使用量が増えても対応できる
- データセットが増えても対応できる
- メインテナンスが可能
前半は大規模サイトを視野に入れた、ソフトウェアアーキテクチャについてのノウハウ、8章以降はミドルウェアのスケーリングを中心に解説されています。
覚えているポイントは以下の通り。
- 開発環境・ステージング環境をしっかりと作る
- 国際化を視野に入れてUTF-8エンコーディングを使う
- アプリケーションのセキュリティを確保する
- ボトルネックは詳細まで特定できるように
- スケーリングはシステムにフィットする方法を選択する
というわけで、いずれは8章の冒頭にあるような状況を目指したいものです。
さあ、キラーアプリケーションができあがりました。すべてのデータはUTF-8で保存し、受信するメールはいとも簡単に処理され、データにうまくフィルタをかけ、数多くの外部のサービスを利用しているとしましょう。何の問題も無さそうだし、利用者の反応はすばらしく、ベンチャーキャピタルがひっきりなしにやってきます。
この本は社内で回し読みをしたいと思います。
アプリケーションに携わる全てのITエンジニアに、何か新しい気づきを与えてくれると思うからです。