金融を簡単に具体的に - お金は銀行に預けるな

先日フライト中に読もうと思い本を探していたところ、タイトルと前半が面白かったので買いました。
著者の勝間和代(かつまかずよ)女史の人気もウェブで気になっていたのでちょうどいい機会に。

お金は銀行に預けるな   金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)

本書では、

  • 2012年(平成24年3月末)には適格退職年金制度が無くなる。
  • 学校教育の現場ではお金についてほとんど教えていない。
  • 金融リテラシーを学びたくても長時間労働の影響で時間が取れない。

などの問題提起より、私のように金融に疎い者をその世界に目覚めさせてくれます。

さすがにフライトの2時間ではムリでしたが一気に読めました。
メインである 第2章「金融商品別の視点」、第3章「実践」は、最新の金融事情が分かりやすく説明されていて、興味深く読めました。


で、「なんか悔しいなぁ」というのが正直な感想。身近な話なのに、知らないことだらけ。

もちろん、この本だけでは入門レベルにも達しないのかと思います。別の本も合わせて読むなど、勉強法は考える必要があります。

これについては、本書でも、

勉強をするにあたっては、勉強の具体的な方法よりも、その勉強をしたいという動機づけの方がより重要だと考えているからです。

と書かれている通り。


さて、金融には直接関係していない部分ですがメモ。

金融リテラシーとは、金融に関する情報や知識を単に学ぶだけではなく、そこで与えられたものを批判的に見ながら自己の金融に関する学習を経験として重ねていくことで、金融の情報や知識を主体的に読み解くことができるようになることを指します。

リテラシー = 読み書き能力。転じて、ある分野に関する知識

そのまま「コンピュータリテラシー」に置き換えればどれだけ身に付けるのが大変か納得です。

リスクと危険の違いもメモ。

「リスク」という言葉に目を向けてみます。
私は、日本でリスクの概念を説明するのが難しいと常々感じています。その理由は、多くの人がリスク(risk)と危険(denger)を一緒にして考えているためです。
リスクというのは、あくまで計量可能で、コントロール可能なものを指します。逆に、自分自身で計量できなかったり、コントロールできないリスクを取ってしまうことはリスクとはいえず、単なる危険を指します。


最終章である、第4章「金融を通じた社会責任の遂行」が面白いです。
若年層への金融教育が試みられているらしく、数点のリンクが紹介されていたのでメモしておきます。

キッズ・マーケット・キャンプ2008春について
http://www.apfl.jp/kmc2008/

日本銀行金融研究所貨幣博物館トップページ
http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/index.htm

日本銀行キッズコンテンツ:にちぎん☆キッズ
http://www3.boj.or.jp/kids/

東京証券取引所 トップページ
http://www.tse.or.jp/

東証 : Webサイト「東証ティーンズ・スクール シェア先生の経済教室」
http://www.tse.or.jp/learning/kids/index.html

続編が出るようなら読みたいです。